いつもいくラーメン屋がすっかり変わり果てていた。
その日、私たちはいつものように
「くーっ、ねぎみそちゃーしゅっ♪」と
ワクワクしながらそのラーメン屋へと飛び込んだ。
店員さんがはじめてみる女性だった。
それも、一見中学生のようで、しかも、影薄く、
この世の不幸をしょっています・・・と背中にテロップを
せおっている感じの全体的に「うすい」人だ。
どよ~~ん・・・としたなか
「まぁまぁまぁ、いいやね」と気を取り直し
「ねぎみそちゃーしゅ・2つ!」と元気に注文した。
「はい・・・かしこまりました・・・・・・」と、
ひゅ=どろどろ言いながら店員さんは奥へと。
「おまたせいたしました・・・・・」とラーメンが来る。
うっほほーい!と飛びつくと、
・・・ねぎがない。
ねぎのない「ねぎみそちゃーしゅ」だ。
「すいません、あの、ねぎみそちゃーしゅ頼んだんですけど」
というと、
「・・・みそちゃーしゅ、ですよ・・・」と、
彼女が書いていた伝票を見せられた。
はい。たしかにその伝票には達筆な文字で「みそチャ」とだけ書かれています。
。。。。。
「まぁまぁまぁまぁまぁ、いいやね・・」と気を取り直し
ぬるい、みそちゃーしゅーめんを食べた。
ねぎのないみそちゃーしゅは、こんなにも味気ないものなのか、と
涙をこらえながら、気の抜けたラーメンを食べた。
ねぎのありがたみを知る旅なのだ、と気持ちを抑えて食べた。
スープがのみたくてもレンゲがない。
何かのバツかのように、レンゲがない。
「すいません、レンゲ下さい・・」
どろどろどろ~といいながら彼女はレンゲを私のラーメンどんぶりに
ぼちゃんといれた。
彼女の手から水滴がぽたぽたっとコップへ滴り落ちた。
ふっ・・・
水ももう、飲めねぇじゃねぇか・・・
まぁまぁまぁ、こんなこともあるさ、
長い人生の1度きりの食事さ。
すっかりワクワク感もくっー♪感も殺ぎ落とされ、
帰りのお会計にて「1785円です・・・」といわれた日には
「はいな・・・・ひゅ~どろどろどろ・・・」
とどんよりムードをゲットして、
家路についたのでありました。
by
M's Cafe
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